幻のカルピスバターの真実|なぜ470mlが40本も必要なのか

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木製の机に並ぶガラス瓶の牛乳

「カルピスバター」という名前を聞いて、何のことか分かる人は少ない。

あの白いカルピスから、本当に バター が作られている。
しかも、流通量がほとんどない「幻のバター」と呼ばれているくらい、希少だ。

その理由を知ると、たぶん次にカルピスを飲むときの目が変わる。

宮崎県椎葉村でバターサンド専門店「菓te-ri(カテーリ)」をやっています、椎葉です。
年間24万個。これくらい焼いていると、業界のどこに「凄い素材」が眠っているか、自然と詳しくなってくる。

今日は、カルピス(株)発酵バターの正体を、公式情報だけで分解します。

牧草地で草を食むホルスタイン牛
Photo on Pexels

🎯 3秒で分かる「カルピスバター」早見表

  • カルピスバターとは:「カルピス」製造工程で副次的に生まれるバター
  • 原料:牛乳から「カルピス」を作る際に分離される脂肪分(クリーム分)
  • 希少性470mlの「カルピス」約40本から、バター1個分
  • 発酵バター版あり:厳選乳酸菌を加えた「カルピス(株)発酵バター」
  • 2024年:『カルピス×発酵バターフィナンシェ』が阪急うめだ本店で限定発売

カルピスを作ると、なぜバターができるのか

カルピスは、牛乳を発酵・調合して作られる乳酸菌飲料だ。
製造工程の中で、原料の牛乳から 乳脂分(クリーム)を分離する 工程がある。

このとき残るクリームは、量こそ少ないが、質はかなりいい。
これを集めて練り上げると、「カルピス(株)バター」 ができる。
カルピスを作るためのプロセスから、副次的にバターが生まれる仕組みだ。

このバターに、さらに 厳選した乳酸菌を加えて発酵 させたものが、「カルピス(株)発酵バター」
新鮮なバター風味が長く続き、後味はすっきりしている、と公式は説明している。

つまり、ひとつの製造ラインから、副産物として高品質なバターが取れる。
それが、カルピスバターの出自だ。

470ml × 40本で、ようやくバター1個

ここが、カルピスバターを「幻」たらしめている数字だ。

みんなの発酵BLENDによれば、カルピス(株)発酵バターは、470mlの「カルピス」約40本から、ようやく1個のバターができる。
それくらい、製造工程で取れるクリーム分は少ない。

カルピスを大量に作らないと、バターも作れない。
かといって、バターを作りたいからカルピスを増産する、というわけにもいかない。
需要が完全にカルピス本体の生産量に縛られている。これが、カルピスバターの一番の制約だ。

結果として、流通量は本来のバター市場の規模からすると、非常に小さい。
市場で広く出回るバターではない。

特徴は、質のよい牛乳から脂肪分を分離して作られることによる、牛乳に近い白さ
通常のバターよりも色が淡い。
そして、日本人好みのさわやかなコクと香りを意識して、専用の乳酸菌が選ばれている。

2024年、発酵カルピスのフィナンシェが発売

このカルピス発酵バターを使った焼き菓子が、最近形になった。

アサヒ飲料は2024年11月22日のニュースリリースで、『カルピス×発酵バターフィナンシェ』を、同年11月29日に発売することを発表した。

販売場所は、阪急うめだ本店(大阪府大阪市)地下1階食品売場にある「カルピス」ブランドのコンセプトショップ、『発酵「CALPIS」PARLOR』
このコンセプトショップは、2022年4月に阪急うめだ本店でオープンしたもので、オープン以来約30万人が来場している。

商品概要は次の通り。

  • 商品名:カルピス×発酵バターフィナンシェ
  • 入数:6個
  • 希望小売価格:2,130円(税別)、2,301円(税込)
  • 品目:焼菓子
  • 発売日:2024年11月29日
  • 販売場所:店頭・オンラインサイト(数量限定)

生地に「カルピス」を練りこみ、『カルピス(株)発酵バター』を贅沢に使用した焼き菓子
カルピスのさわやかさと、発酵バターの深いコクを両立させている。

牛舎のホルスタイン牛
Photo on Pexels

幻のバターが「焼き菓子」に向く理由

ここからは、職人としての目線。

カルピス発酵バターは、純粋なバターとして食べると、軽くてさっぱりしている。
重たい料理よりも、焼き菓子のように香りが残る場面 でこそ、本領を発揮する素材だ。

フィナンシェは、バターをこんがり焦がしてアーモンドパウダーと組み合わせる、フランスの伝統菓子。
焦がしバターの香りが命なので、原料となるバターの品質が、そのまま味の上限を決める。

つまり、「カルピス(株)発酵バター × フィナンシェ」という組み合わせは、素材の特性とお菓子の特性が、互いに引き立て合う相性になる。
偶然じゃなくて、必然の組み合わせだ。

もし入手機会があれば、まずプレーンな状態で香りを試して、その後にカルピス味を含む焼き菓子を食べてみてほしい。
「470mlの40本分」 という数字が、舌の上で実感に変わる。

【職人の一言】幻のバターを、知って食べるかどうか

菓子は、素材の選択から始まる。

カルピスバターを使うブランドは、希少さを背負って、コストも引き受けている。
「同じバター」と書いてあっても、その向こうに 「470ml × 40本」 という現実があるかどうかで、菓子の重さは変わる。

次にカルピスを飲むとき、その液体の向こうに、ほんの一握りのバターが眠っていることを、思い出してみてください。
たぶん、いつもと違うカルピスに見える。


出典・参考(公式情報源)

商品の最新情報は、アサヒ飲料公式サイトをご確認ください。

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